大人になって現代社会を生きていると数字を理解し、活用する能力は生きていく上でとても重要だなと感じています。
現代で数字を理解して読みとり、活用することは子供たちの将来にとって非常に重要な意味を持つようになってきていると言えます。
Steam教育が注目されるように算数の成績だけでなく、論理的な思考力や問題解決能力などは日常生活における様々な判断、意思決定に大きく影響するからです。
では、どのようにすれば子供たちは数字に強くなり、その可能性を最大限に伸ばせるのでしょうか?
今記事では、ご家庭で無理なく実践できる8つのテクニックを通して、子供たちの算数への興味を引き出し、確かな基礎を築く方法をご紹介します。
①日常生活の中に自然と数字を取り入れる
まずは、日常生活の中に自然と数字を取り入れていきましょう。
例えば、おやつの数を数えることから始めてみます。
「今日はクッキーが3枚だね。昨日より1枚多いね」
このように自然な会話を通すことで、子供は自然と数の増減を意識するようになります。
日々の運動指導で僕が子供たちと会話する際に意識していることは回数や時間です。
「ドリブルが速い人はどのくらいの回数ボールを触ってあそこまで行っているかな?」や、「箱根駅伝で走っている人はこの距離を○○秒で走っているんだよ」といったことを会話中に取り入れています。
運動指導以外にも子供と買い物に行った際に、食品のカロリーを見ることもあります。
「このお菓子は150円でタンパク質が1g、この食品は150円でタンパク質10g。どちらが身体の成長には良いと思う?」と問いかけることで、価格と身体への影響を比較し、数の大小や物事の判断、意思決定について考えてもらいます。
このように、日々の生活の中で数字に触れる機会を増やすことが、子供たちの数字への親しみを育む第一歩となります。
なるべく、自身の子供が興味あることに置き換えながら触れてみてください。
②遊びを通して学ぶことが効果的な方法の一
遊びを通して学ぶことも、非常に効果的な方法の一つとなります。
積み木やブロックを使って遊ぶ際には、形や数を意識させるように促してみます。
「この四角いブロックを3つ重ねてみよう」「赤いブロックは何個あるかな?」といった声かけを通して、空間認識能力や数量感覚を養うことができます。
すごろくやトランプ、モノポリーなどのゲームも楽しみながら計算や確率の概念に触れる良い機会となります。
特に僕自身はモノポリーが大好きです。モノポリーは数字だけでなく、プレイヤー同士の交渉術も学べる良いゲームです。
ゲームを通して、子供たちは自然と数字に親しみ、算数への抵抗感を減らしていくことができます。
現在、モノポリーは様々な人気キャラとコラボしたボードがたくさんありますので、子どもが好きなキャラクターのボードで楽しんでみてください♪
モノポリーについて詳しくはコチラの記事にありますのでコチラもお読みください↓
③絵本や図鑑の活用が子供たちの学習意欲を高める有効な手段
絵本や図鑑の活用も、子供たちの学習意欲を高める有効な手段です。
数字がテーマの絵本を読み聞かせたり、図鑑で物の数や大きさを比較したりすることで、子供たちは視覚的に数字を捉え、理解を深めることができます。
いしかわこうじさんの「すうじのかくれんぼ」や柏原佳世子さんの「おうさまがかえってくる100びょうまえ!」は小さなお子様から楽しめる素敵な絵本です。
絵本を通して物語と数字を結びつけたり、図鑑を通して現実世界と数字の繋がりを意識することで、子供たちの興味関心を惹きつけ、学習への動機付けを高めることができます。
子供たちの思考力を養うためには、質問を通して考える機会を与えることが重要です。
「なぜそうなるの?」「もしこうだったらどうする?」といった僕たち大人が問いかけを少し変えるだけで子供たちは物事を多角的に捉え、論理的に考え始めます。
正解をすぐに教えるのではなく、子供自身が考え、答えを導き出す手助けをすることがとても重要です。
④具体的な物を使って数字と触れ合う
実際に具体的な物を使って教えることも、抽象的な数字の概念を理解する上で役立ちます。
おはじきや果物などを使って、足し算や引き算の概念を教えることで、子供たちは数字を具体的にイメージしやすくなります。
例えば、おはじきを5個と3個に分けて、「合わせるといくつになるかな?」と問いかけることで、足し算の概念を視覚的に理解させることができます。
公園や自然にあるものを使うと子供はもっと楽しく数字について学ぶかもしれません。
「一緒にどんぐりを10個集めてみよっか?2人なら何個ずつ集めたらいいかな?」というように足し算や割り算、数字という抽象的な概念も具体的に理解できるようになります。
やはりこれも子供が好きなことと掛け合わせると興味や理解が深いように思います。
ぜひ、子ども自身が好きな具体的な物を使って数字に触れてみてください。
⑤褒め方について考えてみる
子供たちの学習意欲を維持するためには、褒めて励ますことが不可欠です。
褒め方については過去にいくつか記事をあげているので詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
●子供の成長における褒め方の影響:結果重視(result)と過程重視(process)のバランスとは
できたことを褒めるだけでなく、努力を認め、頑張りを称える言葉をかけることで、子供たちは自信を持って学習に取り組むことができるようになります。
「よく頑張ったね」「前よりずっと速く計算できるようになったね」といった具体的な言葉で褒めることで、子供たちのモチベーションを高め、更なる学習意欲を引き出すことができます。
⑥大人も一緒に楽しむ姿勢が大事
親御さんが子供と一緒に楽しむ姿勢を見せることは、子供たちの学習意欲を高める効果があります。
一緒に数字を使ったゲームをしたり、算数の問題を出し合ったりすることで、学ぶ楽しさを親子で共有できます。
親御さんが「これは面白いね!」とポジティブに反応することで、子供たちは挑戦する意欲を持ち、前向きな気持ちで取り組むことができます。
大人の励ましの言葉や態度は、子供たちの自己肯定感を育む大切な要素です。上述した褒めかたを通じ子供たちは自分の努力に自信を持つようになります。
身近な大人が好奇心を持ち、一緒に問題解決や探求を楽しむ姿勢を見せると、子供たちにも自然にその姿勢が伝わります。
僕自身が意識していることは知っていても、知らないふりをして大袈裟に驚くこと。その際は必ず、知らないから調べて僕にも次会った時に教えてと伝えること。
こうすることで子供たちは張り切って調べてきたことを教えてくれます。こちらが全く知らないことを教えてくれることが多々あり、本気で楽しんで学ぶことができます。
親子の共同作業は、学びを楽しい体験に変えるだけでなく、子供たちが主体的に学び続ける力を育てる基盤となります。親御さんの前向きな関わりが、子供たちの成長を大きく後押しします。
⑦教材選びも重要です
教材選びは、子供たちの学習意欲や理解力を高めるうえで非常に重要なポイントです。
幼児期には、絵や図が多く使われている教材を選ぶことで、視覚的に分かりやすく、学びを楽しいものと感じさせることができます。
この時期は、具体物やイラストを用いてイメージしやすい内容を中心にすることで、子供たちが自然に学びに興味を持てるようになります。
一方で、学齢期には、子供の成長や理解度に応じて、少しずつレベルアップできる問題集やドリルが効果的。
特に、基礎的な内容から始めて、無理なくステップアップしていける構成の教材を選ぶことが重要となります。
このような教材を活用することで、子供たちは学ぶことへの達成感を得やすくなり、次のステップへの意欲も高まります。
やはりここでも子供が興味を持つテーマやキャラクターが登場する教材を取り入れると、親しみを感じやすくなり、学習へのモチベーションもさらに高まります。うんこドリルが流行ったのも頷けます・・・(笑)
近年では、子供向けの算数アプリやウェブサイトなど、オンライン学習ツールも多様化しており、これらのツールはインタラクティブな要素が豊富で、子供たちの好奇心を引き出しやすい特徴があります。
ゲーム形式で問題を解いたり、アニメーションを通じて概念を学んだりすることで、楽しみながら学習を進めることができます。オンラインツールには、進捗状況を記録し、子供の得意分野や苦手分野を可視化する機能が備わっているものも多く、学びの効果をさらに高める工夫がされています。
一方で、オンラインツールを利用する際の注意点は、適切な時間管理。子供たちにヒアリングするとオンラインツールの長時間使用が目立ちます。
長時間の使用は子供たちの目や身体への負担を招く恐れがあるため、時間を区切って利用するように上手くコントロールしていきましょう。
保護者が子供と一緒に使用し、進捗を確認したり、楽しみを共有することで、より効果的な学習体験を提供することができます。
これにより、親子間のコミュニケーションも深まり、学習を通じた信頼関係を築くきっかけにもなります。
教材やツールを選ぶ際には、子供たちが興味を持ちやすい内容やデザインに注目するだけでなく、安全性や信頼性の高いものを選ぶことが大切です。
レビューや専門家の評価を参考にしたり、実際に体験し、試用することで子供に合った最適なツールを見つけることができます。
適切な教材やツールを選び、成長に合わせた学習環境を整えることで、子供たちの学びへの興味をさらに広げ、無理なく楽しく学習を進めることができます。親御さんのサポートが加わることで、子供たちの学習体験はより豊かで充実したものになります。
⑧比較しないで!自分に合ったペースを大切にする
最後に何よりも大切なのは、焦らず、子供のペースに合わせて学びを進めることです。
親御さんとしては、つい他の子と比べてしまったり、早く結果を求めすぎたりしがちですが、子供たち一人ひとりの成長スピードや個性を尊重することが、健やかな学びを支える基盤になります。
幼少期や学び始めの段階では、無理に早く進めようとすることよりも、子供が安心して学習に向き合える環境を整えることが大切です。
子供のペースを尊重するということは、単に学習速度を調整するだけではなく、子供の興味や感情にも寄り添うということです。※ここがとても大事です。
数字や算数に対して苦手意識を持つ子供であれば、その原因を理解し、少しずつ取り組みやすい方法を見つけていく必要があります。
ゲームや遊びを通じて自然に数字に触れる機会を増やしたり、成功体験を積み重ねられるような簡単な課題から始めたりすることで、子供たちは自信を持って学ぶことができるようになります。
親御さんのサポートや温かい声かけは、子供たちにとって大きな励みとなります。「よくできたね」「楽しそうだね」「どんな風に考えたの?」といった言葉をかけることで、子供たちは自分が頑張ったことを認めてもらえたと感じ、さらなる挑戦への意欲を高めることができます。
逆に、急かしたり、間違いを責めたりする態度は、子供たちの学びへの興味を損なう原因になりかねません。
親御さんが温かく見守る姿勢を持つことで、子供たちは「失敗しても大丈夫」という安心感を得て、挑戦を楽しむことができるのです。
最後に
数字に強い子供に育てるには学びの過程で楽しさや達成感を感じることが、数字に対するポジティブな印象を与え、育むうえでとても重要です。
例えば、子供が「この計算できた!」と喜ぶ瞬間を共に喜び、次のステップに進むサポートをすることで、学びへのモチベーションをさらに高めることができます。
日常生活の中で数字に触れる機会を徐々に増やしていき、買い物で金額を計算したり、時計を読む練習をしたりすることで、学びを日常生活と結びつけ、実用的なスキルとして身につけていくことができます。
日常生活に結びつきに気づいた瞬間の子供の笑顔はとても素敵です。
焦らず、子供のペースに合わせる姿勢は、子どものみならず、親御さん自身にも余裕をもたらします。
子供たちが少しずつ成長していく姿を楽しみながら見守ることで、親御さんも学びの過程を一緒に楽しむことができます。
結果だけに注目するのではなく、過程を大切にし、学びの時間をポジティブしていきましょう。
何よりも重要なのは、子供たちが数字を学ぶ過程を通じて、学ぶこと自体の喜びを感じられるようにサポートすることです。
学びを急がず、子供たちのペースに合わせてじっくりと向き合うことで、数字に強いだけでなく、学び続ける力や好奇心を育むことができます。
親御さんの温かいサポートと見守りが、子供たちの学びへの意欲を引き出し、成長を後押しする最も大切な要素となります。


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